からだの#ヒキダシ
1年前ぐらいから耳鳴りに悩んでいます。 いつもジーと蝉が鳴いているみたいです。 一度耳鼻科で診てもらいましたが、全く改善しませんでした。 高齢者の耳鳴りは治すことが出来るのでしょうか?
中予地区
年齢とともに出る耳鳴りは聴力の低下が影響していることが多いんです
歳をとるに連れて聴力は悪くなりますよね。年齢とともにエネルギー・栄養の届きが体の隅々かでうまく届かなくなっていきます。そうなってくると耳の音を聴き取る力が落ちてくるんです。
でも最終的に音を感じるのは、実は脳の中なんです。脳は聴き取りにくくなった音を補おうとして脳の中で音を強調させるようになり、それが耳鳴りとして感じられるようになる・・・実は耳鳴りの多くは脳が鳴らしている「脳鳴り」なんです
耳鳴りで悩む方は最初は病院に行かれますが、耳や脳にこれという病気がない場合、これといった薬もないようなんです。
・・・というわけで漢方相談でも高齢の方の相談で最も多いのが耳鳴りなんですが
漢方は耳に栄養、酸素、エネルギーが届くようにすることを考えて、薬を出します。
ただし飲んだらパッとよくなるという効き方でなく、今の調子の悪い状態が100だとしたら、それをゆっくりと90に80に70にと悪いレベルを下げていき、耳鳴りの頻度を少なくして、これ以上聴力を悪くしないようにすることは期待できます。
日頃の注意点として・・
耳鳴りなど無縁の若い人でも爆発音など強烈な音を耳もとで聞くと、その後耳鳴りが起きたり、耳の聞こえが悪くなったりします。
爆発音でなくても耳は騒音、雑音を受け取り続けることでストレスになり、調子が悪くなっていきます。
耳の中には有毛細胞という耳に入ってきた音の波を感じ取る細胞があります。
強烈な音の波を一気に受けると有毛細胞は傷つき、それで聴力をおとし、それでいきなり脳鳴りである耳鳴りが起きます。
一気にくる強烈な音でなくても常に騒音・雑音を聴く環境にいると、この有毛細胞はその音を聴き取るために常に緊張した状態になり、損傷しやすくなってしまうのです。騒音でなくても耳元でずっと音を聞き続けると有毛細胞は聴き取ろうと緊張を続けるので負担がかかり、聴力を落しやすくなります
好きな音楽でもイヤホンやヘッドホンで耳元で直接聴くのが長時間になると、有毛細胞にはかなりの負担になるのでほどほどにですね。
またお年寄りで夜に耳鳴りが気になる方は耳鳴りを聞こえなくしたいとラジオやラジオを付けっぱなしにして寝床に入られる方もおられるようです。
しかしそれもずっと音を聴くことで余計に有毛細胞に負担をかけることになるので、かえってよくないので注意してください。