暮らしの#ヒキダシ
来月、父の49日法要があります。お餅は母一人なので、用意するのは辞めようかと話していましたが、お坊さんに用意したほうが良いと言われたそうです。お餅をする人も少なくなってきているとも聞きました。どのようにすればよいでしょうか?
南予地区
ご質問ありがとうございます。
ご法要などの仏事で「お餅」お供えすることには大切な意味合いがあります。
まず、宗旨・宗派によって異なりますが、仏壇のご本尊や故人を含むご先祖様への御供物にはいくつかの種類があります。
仏様の智慧をあらわす「灯明」、お香を焚くことによる「香」、仏様の慈悲の心を表しお参りする人の心を和ます「花」、生命の源で心身を清める「水」、そして普段から私たちも食している物「飲食(おんじき)」です。
そしてこの「飲食(おんじき)」にも順位があり、最上位は平時よりお供えされる「仏飯」で、その次に挙げられるのが「お餅」であり大切な仏事でお供えされる特別なものとなります。その後に、様々な「菓子」・「果物」と続きます。
次に地域の風習・習慣によっても異なりますが、四十九日(満中陰)法要に「お餅」のお供えをする理由には、次のようなものが挙げられます。
・故人の極楽への旅立ちを祝うものとして
・浄土での故人を支える追善供養として
・「お餅」は遺族の想いが宿るとされる特別な食べ物なので
・故人にお供えした「お餅」を家族や親せきが食し、想いを重ねるため など
以上のことよりも、「お餅」は大切な先祖供養の仏事において、ご先祖や故人の「お供え」として、またその家族・親族が分かち合う「おさがり」として共有されるものとして重要視され、この度ご寺院が「用意した方が良い」とおっしゃられた理由もそのあたりのことではと推察されます。
さて、次に仏事後の「お餅」に関してですが、一般的にはご寺院も含め参列者の数で分ければ良いでしょう。10人集まれば一人当たり約5個ですので、食すのに困るという数でもないと思います。
保存に関してですが、「お餅」はすぐに食さない場合冷凍保存が可能ですので、一個一個サランラップなどで包み冷凍庫に入れましょう。また、宗旨・宗派や地域の風習・習慣によっては、大きい「笠餅」や仏壇用の「重ね餅」もあるかと思われますが、これらのお餅はご法要後まだ柔らかいうちに小さく切り分ければ良いでしょう。