暮らしの#ヒキダシ

夏休み中、子どもがたくさんゲームをしていたので、時間を制限したいなと思いつつ、自分はついスマホを長時間見てしまっている現状です…どうすれば説得力が出るような声かけができるでしょうか?
中予地区

すばらしいですね。ご相談ありがとうございます。
お子さんにゲームの時間を制限したいと感じるのは、多くの親が抱く悩みです。ただ、同じ屋根の下で自分はスマホを眺め続けながら「ゲームやりすぎだよ」と言っても、説得力は生まれにくいのは自然なことです。
よくあるアドバイスとしては「親も一緒にルールを守る」や「時間を決める」などがありますが、実は本質は“時間の長さ”より“時間の質”にあります。子どもに「1時間しかダメ」と言う代わりに、「ゲームの後に一緒に散歩して今日の出来事を話そう」「寝る前の30分はゲームやスマホじゃなくて本を読んでみよう」と“切り替え”の場面を生活の中に埋め込む方が効果的です。制限は「禁止」ではなく「切り替えのきっかけ」として働くのです。
最大の説得力は「一緒に困っている姿を見せること」です。たとえば「お父さんもスマホ見すぎちゃうから、一緒に30分おきにタイマー鳴らして区切らない?」と、親も“弱さ”を共有する。その姿は子どもにとって、押し付けられるルールよりもずっとリアルに響きます。「大人だって難しいけど工夫してるんだ」という学びは、時間制限よりも長く子どもの心に残ります。
もうひとつの視点は、“制限”よりも“置き換え”を使うこと。ゲームをやめろと言うより「今日の10分は僕のスマホ写真で面白いの見せ合おう」とか「一緒にYouTubeで料理動画を見て実際に作ってみよう」と、同じスクリーンでも共有の時間にすれば、ゲームやスマホが“孤独な消費”から“つながる体験”に変わります。その体験を積み重ねるうちに、自然と「一人でダラダラやる」時間が減っていきます。
親がすべきは「制限」ではなく「提案」なのかもしれません。子どもにとって、親の声が禁止のサイレンではなく、新しい遊びのアイデアの呼びかけに聞こえた時、初めて心が動きます。