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一人暮らしの母がもしも亡くなっていたらどのように対処すればよいのでしょうか?
中予地区

この度はお母様のことについてご相談いただき、心中お察しいたします。お一人で生活されているご家族のことを考えると、不安や心配が募るのは当然のことです。以下に、もしもの時にどのように対処すれば良いのか、ご説明させていただきます。
1. まず最初に行うべきこと
もしもお母様が亡くなっているのを発見された場合、まずすぐに救急車(119番)へ通報し、医師の確認を受ける必要があります。救急隊が到着した際に、病院へ搬送されるか、現場で医師が死亡診断を行うか判断されます。お一人で亡くなった場合でも、自然死であれば法的な問題が発生することはありませんが、不審な点がある場合には警察の介入が必要になる場合もあります。
2. 死亡診断書の取得
医師が死亡を確認した後、死亡診断書が発行されます。これが後の手続きにおいて非常に重要な書類となります。もし病院で亡くなられた場合はその場で、または自宅で亡くなった場合は訪問医や救急隊によって診断書が発行されます。
3. 葬儀社への連絡
死亡診断書を取得したら、次に葬儀社へ連絡を行います。葬儀社はお母様のご遺体を引き取る手配を行い、葬儀や火葬の手続きを進めるためのサポートをしてくれます。お住まいの地域の事情やご家族の意向に合わせて、葬儀の規模や形式について相談し、適切なプランを選ぶことが重要です。
4. 死後の手続き
お母様が亡くなられたことを役所に報告しなければなりません。市町村の役所に死亡届を提出することで、戸籍が抹消され、火葬許可証が発行されます。この手続きは、通常葬儀社が代行してくれる場合が多いですが、ご自身でも進めることができます。提出期限は死亡確認から7日以内となります。
5. 遺品整理の進め方
お母様が一人暮らしをされていた場合、遺品整理を進める必要があります。遺品整理はご家族が行うこともありますが、専門業者に依頼することもできます。遺品整理業者は、貴重品や大切なものを取り分け、不要なものの処分や片付けを行ってくれます。特にお一人で対応が難しい場合には、信頼できる業者に依頼することが心身の負担軽減になります。
6. 相続や財産の整理
相続手続きも非常に重要です。亡くなられた方の財産や債務がどのように扱われるかを確認するために、まずお母様の遺言があるかどうかを確認します。遺言がない場合、法律に基づいて相続人が決定され、財産の分配が行われます。これには銀行口座の凍結解除や不動産の名義変更など、法的手続きが伴います。相続税の申告も必要になる場合がありますので、専門家に相談することをお勧めします。
7. 心のケア
最後に、精神的なサポートも非常に大切です。大切なご家族を亡くされた悲しみや喪失感に対して、無理をせず、ゆっくりと時間をかけて心の整理をしていくことが重要です。時には、友人や家族、または専門のカウンセラーと話すことが癒しになることもあります。周囲のサポートを受け入れることにためらわず、自分自身の心身を大切にしてください。
お一人で生活されているご家族を心配される気持ちは非常によく理解できます。もしもの時には、上記の手順を参考に、少しでも落ち着いて対処できるように備えていただければと思います。事前に葬儀社や遺品整理業者、相続に詳しい専門家に相談しておくことも、一つの安心材料となります。
また日頃から定期的に連絡を取り合うことや、見守りサービスの活用を検討することが安心につながります。見守りサービスは、特にお元気な時でも日常的な様子を確認できるため、急な事態にも早期対応が可能です。こうした対策を事前に講じておくことで、お母様の生活を見守りつつ、ご自身も少し安心できるのではないでしょうか。
愛媛新聞社ではこのような見守りサービスもございます。参考にしていただければ幸いです。
https://www.ehime-np.co.jp/enpas/safety/hitokoe.html